特集

ダンス界の現状レポート

「供給側から見たダンス界」

 

現在は過去何度目かのダンスブームが起こっていると言われている。例えば10年前の状況に比較すると、ダンス教室の数は約10倍にまで増加していると見られる。

そしてダンス人口も増え、ダンスに関する情報も、ニーズもかなり増えてきた。

だが問題なのは、そういう状況でも、すべての面で10倍になったのではないということだ。

例を引くまでもないが、ダンスブームの勢いに乗って供給側(ダンススクール)は増えている。しかし需要側(生徒)はそれに比例して増加してきたのか? 

答えは言うまでもないだろう。NOである。

 

ここで言う供給側というのはもちろんビジネスをしている側のことだ。アマチュアのボランティア等は入っていない。

ビジネスである以上、需要側(生徒)とのバランスが取れていなければ、結果的には顧客を奪い合う形となってしまうだろう。過去には、他の教室に出入りすることは厳禁とされていた時代もある。しかし、現代ではそれほどの厳しさはなくなっていて、複数の教室が共通の生徒を抱えている。そうしなければ経営が成り立たないという実情があるからだ。だからといって生徒獲得の厳しい競争がなくなったわけではない。

あの手この手の手法が出てくる。

今日では、差別化がますます必要となっている。

まず一番着手しやすいのは料金値下げである。そのことから価格競争が始まり、ちょっとしたデフレが起きてくる。

 

もともと供給側(教室)が増えているのだから、選べる立場にある需要側(生徒)にとっては好都合な状態となるわけだ。

供給側もそのことはわかっていて、安易に料金値下げをすることは危険と考えている。価格以外に強みを持たないスクールにとっては、単に客単価(利幅)を落としただけの結果となってしまい、経営体力を落としてしまう。

そうなると広告予算や講師の人件費のカットをせざるを得なくなり、ますます負のスパイラルに突入していくことになる。

 

スクールというのは参入するときの障壁は低いが、設備投資などのイニシャルコストはハンパではない。損益分岐点を超えるためには時間を必要とし、融資回収までを考えると長期的な戦いとなる。

需要と供給のバランスがベストだったのは、もう何年も前だったのではないか。

現代は、すでにスクールの淘汰が始まっており、勝つスクールがどんどん潤沢に、強みが少ないスクールは経営が圧迫されてきている。

 

もう一度原点に立ってスクール運営を考える必要がある。


立地マーケティング

●設備投資額と収支シミュレーション

●費用対効果の検証

●そしてプラスαのウリ

 

何が強くて何が弱いか、しっかりと考える必要がある。

それら諸条件のツメが甘いと、これから先は戦っていけないだろう。

ダンスブームの後押しで経営ができるほど、現在は甘い状態ではない。先読みができて上手くいっているスクールでもここ数年ずっと後手になっているというところもある。

 

では今後の経営に何を重視しなければならないのか?

 

●まず第一は優秀な人材の確保

●現状事業プランの見直しとリサーチ

●実績とノウハウの活用

●発展的プランの立案

 

どんなビジネスであれ、魅力あるものを提示できなければ上手くいかない。ダンス界の供給側(ダンススクール)にとって、需要側(生徒)に何をプレゼンテーションできるか、ということがこれからの勝ち残りには最大のテーマとなるだろう。

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